どみなんとの備忘録

ゴリラのじゆうちょうです

PPTQで使ったアブザンアグロについて

  MTGを始めてちょうど1ヶ月程が経ったということもあり、競技レベルのMTGというものを知りたかったのです。結果は残念なことに0-3と、最後まで参加し切る気力すら無くなるものでした。それでも参加して得たものは有ると思うのでここに書き残しておこうと思います。また、出来たデッキについては、そうハズしたものではないと今でも思っているので、足りなかったものが何なのかを把握するという意味合いも有ります。まぁ前置きはこんなものにしてそろそろ中身に入りたいと思います。

 

 

  1. デッキ選択について
  2. 個々のカードの採用について
  3. 完成したデッキについて

 

  • デッキ選択について

 PPTQへの調整をしている際に最も強いとされていたアーキタイプは【アブザンアグロ】です。その強さは「やア板(=やはりアブザンアグロが鉄板)」という言葉が流行するほどであり、BFZのPTでの優勝を皮切りに、爆発的にその数を伸ばしました。そういうこともあり、僕は当初、”アブザンアグロに強いデッキ”を目指して赤色をタッチしてはじける破滅を採用した【アブザンコントロール】を使っていました。

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 しかし、調整を続けるうちに大きな問題にぶちあたります。打ち消しをもたない青抜き4色であるため、基本的に相手のアクションに対して見てからしか対応が出来ないことです。思考囲いがプールから失われてしまったことにより、裏目が大きい強迫、蔑みでしか相手の脅威に事前の対処を行えません。

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 他にも青をタッチした【ブルーアブザン】等も使ってみましたが、経験の浅い自分はやはりストレートに強いデッキを使うのが安定行動であると考えたため、結局【アブザンアグロ】に落ち着きました。また、最もプレイ人口が多いデッキということで情報を得やすい事も大きなプラスです。

 

  • 個々のカードの採用について

 ここでは今回のカードの採用・不採用を述べたいと思います。

 

 優秀なカード群に支えられている【アブザンアグロ】ですが、その中でも4枚の採用が確定しているカードがこちらです。

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これら3種類のカードはアブザンカラーのデッキを使う大きなメリットとも言える3種類です。つまり、ミラーにおいてはこれらの脅威を念頭に置かなければなりません。

 また、人によって枚数が増減するものの、大きな役割を果たすカードがこちらです。

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これらの4種類は巷で言われている、”アブザンミラーは先行ゲー”の大きな要因となるカードです。先手で展開される管理人を始めとするクリーチャーの後ろに構えられるドロモカの命令は理不尽なまでの強さを誇ります。後攻側はクリーチャーを展開するのに精一杯で、除去に回すマナを捻出することが出来ません。また、ドロモカの命令がその性質上、自分の場にクリーチャーが存在しないと除去として機能しないこともそれに拍車をかけます。そして盤面が負けた頃にキャストされるギデオンは落とすことが叶わず、アドバンテージを大きく稼がれてしまい、負けに直結してしまいます。

 

 これを打開すべく注目されたのが白蘭の騎士です。

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 現環境当初、2マナクリーチャーで最も採用されていたのは搭載歩行機械でした。しかし、2マナを払って1/1クリーチャーを出すというマナ効率の悪さやアナフェンザが絡む除去に全く耐性がないということ、有効クロックとして数えるまでに時間がかかること等がミラーマッチにおいて絶望的なまでの弱さを誇るため、数々のメリットを無視して不採用となりました。

 

 その隙を埋める形で採用が検討されたのが白蘭の騎士です。これについては分かりやすい解説が他にあるのでそちらに譲ります。

Deck Tech: 和田 寛也の「白蘭の騎士・アブザン」 - | 晴れる屋

ただ、これについても 調整するうちに大きく勝率アップに寄与するものではない、と考えたため採用を見送りました。3ターン目に土地を2枚浮かせても取れる行動が強くはありませんし、4ターン目に5枚の土地が確保出来る点も、盤面が優勢でロック鳥を投げることが出来る状況でないと強くありません。もう1つの大きなメリットであるマナスクリューをケア出来るという用途も僕の試行の中では有意な差を見ることが出来ませんでした。

 

 そこで僕が採用した2マナ域のカードは荒野の後継者でした。

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相手のドロモカの命令を弱くしながらこちらのドロモカ命令を強くすることが出来ます。また、ブロックされることのないクロックとなるのもアグロデッキにおいてもかなりの強みです。

 

 以上がクリーチャーの採用についてです。ここからはクリーチャー以外のスペルについて述べます。

 

 荒野の後継者の採用からもわかるように、今回は当初からミラーマッチを念頭に置いた構築にすることを決めていました。そのミラーマッチでは除去が量・質共に求められています。アブザンの魔除けは勿論4枚の採用が確定していますが、他に裏目のない除去というものが少なく、この点をクリアすることは困難でした。

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 探査というキーワード能力を持つこのカードは殆どの場合3ターン目以降でしかキャストすることが出来ません。しかし、可変なマナコストを持つため、中盤以降はほぼ1コストでキャスト出来、2アクションを取る余地が生まれます。また、対象を問いません。量・質の両方の条件をクリアしていると言えます。当時のレシピの主流は残忍な切断が1枚でした。黄金牙、タシグルが採用されていたためです。

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  この枠を残忍な切断に替えて運用していました。

 

 どうして世のプレイヤーは残忍な切断の採用が1枚なのでしょう。あまりにも当たり前な話ですが、それは探査コストが重いからです。BFZの参入によって1枚のフェッチランドで4色に触る事が出来るようになりました。そのために一般的な【アブザンアグロ】であっても12枚ものフェッチランドが採用されるようになりました。しかし、いくらフェッチランドで墓地が肥えるといってもそうそう探査コストのあるカードを多く採用するわけにはいきません。また、起動効果でクリーチャー化する土地、ミシュラランドの採用は必須とされており、これ以上のフェッチランド増量も難しいものです。

 

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  占術ランドを失い、狙ったカードを引き込むことが難しくなった現在、土地の枚数は26枚が良いとされています。土地を引かない事は引き過ぎる事より罪が重いためです。その中でマナフラッドのケアになるこのカードは非常に強力です。また、楔3色であるアブザンカラーの場合、1つ飛んだ色である黒色が出るというのもマナ基盤を安定させる一助となります。

 

 しかし、一見無敵に見えるこのカードにも弱点は有ります。それはこのカードがタップインランドである事です。テンポを重要とし、マナを使い切ることが尊ばれるアグロデッキにおいて確定でタップインするということの重みは思っている以上のものです。また、このカードを置けば置くほどバトルランドがアンタップインすることが遅れます。

 

 そこで僕が今回採用したのはフェッチランドとバトルランド、基本土地のみという土地構成です。フェッチランドを15枚採用したことによって前述の残忍な切断を3枚採用することが出来ます。

 

 また、究極の価格を1枚採用しました。採用が増えてきた荒野の後継者や、迅速に処理しなければゲーム自体を落としてしまうヴリンの神童、ジェイスへの回答になります。勿論、腐る相手や状況もありますがそれでも軽く打てる除去というものは貴重なものです。

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  • 完成したデッキについて

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 これが完成したデッキとなります。前夜にサイドチェンジのプランを書き殴っていたのでそれをそのままコピペしておきます。

対 アブザンアグロ
・先手
in スタンスx2 自傷疵x2 (プライス)
out デンプロx3 プライス (ドロコマx2)
森林、後継者を見たらプライスが入る。両者に対してドロコマは有効でないため。
・後手
in スタンスx2 自傷疵x2 (プライス)
out ドロコマx2 ギデオン プライス (ギデオンx2)
プライスに関しては同様に。後手で生き物を捌かれてからでは弱いギデオンとドロコマは減らす。デンプロで除去を何度も打ってアドとテンポで勝つプラン。

対エスパーコン
・先手
in 強迫x3 熟達x2
out ロックx2 デンプロx3
悩ましいが、ジェイスを処理する余地を残しつつサイドカードを投入するにはこうするしか。
・後手
in 強迫x3 熟達x2 タシグル
out ロックx2 ドロコマx2 カット
ジェイスを処理したいがドロコマでは先2のジェイスを処理できないためこの形に。

対Dジェスカイ
・先手
in 払拭x2 強迫x3 精神背信x2 タシグル プライス
out ドロコマx3 後継者x3 デンプロ ギデオンx2
飛行が止まらないためギデオンは減らす。個々の生き物のスペックで負けているのでドロコマを抜き、相手の除去に対応する方針で。
・後手
in 払拭x2 強迫x3 精神背信x2 タシグル プライス
out ドロコマx3 後継者x3 ギデオンx3
先手とあまり変わらず。デンプロは残して良さそう。
ただ先手と後手共にプランがふわふわしてる事には気を付けたい。

対ランプ
・先手、後手
in 強迫x3 精神背信x2 タシグル (プライス)
out ロックx2 ドロコマx3 カット (カット)
キープを厳し目でいきましょう。管理人、アナフェンザ、タシグル以外のサイドカードがない限りはマリガンで。

対アタルカレッド
・先手、後手
in 強迫x3 プライス タシグル
out アブチャx4 ギデオン
キツイ。

 今から見ると粗い部分が有りますね。予想以上に長くなってしまったので当日のレポートはまた次の記事で書こうと思います。